棚の説明

棚(たな)とは、主に収納を目的した構造物、あるいは家具。究極的には上にものが置ける棚板の事である。棚板を壁に取り付けたり、組み合わせて家具を作る。本棚、食器棚、藤棚など様々な棚が存在している。英語風にラックとも呼ばれる。

階段状になったものを棚と表現する事もある。大陸棚、棚田など。

和美術の分類で棚などに配置する事目的として作られた作品を棚物という

本棚

本棚(ほんだな)は、書籍や雑誌などを収納するための棚のこと。本箱(ほんばこ)、書架(しょか)、書棚(しょだな)書箱(しょそう)ともいう。

個人や家庭向けの小規模な本棚は家具の一種として扱われ、サイズも箪笥などと同程度であるが、図書館などに設置される大規模な本棚には、設備というべきものもある。

日本語では、本棚の個数を「1架、2架、……」または「1本、2本、……」と数える。

概要

本棚は、幅0.5m~1.5m、奥行き数十cm、高さは1~2m程度のサイズが一般的で、主に本を立てた状態で並べる。ただし和書専用の本棚は、表紙が柔らかく洋本のように立てることが出来ないため、寝かせた状態で積み上げる。まだ紙が発明されず木簡・竹簡やパピルスの巻物が主流であった時代には、これらの巻物(スクロール)を棚の上に丸太積みのように積み上げていた。中世ヨーロッパにおける本棚には、腰ほどの高さに書見台が附設されていた。当時は羊皮紙の写本が一般的で、部数も非常に少なかったため、本を収納するためには本棚に寝かせたり、書見台の斜めになった板に立てかけて保管していた。立てて保管する場合にも、取り出してすぐに開けるよう現在とは逆に小口(開く方)を外に向けていたことが当時の版画などから伺える。また、本が極めて高価であった時代には、本棚に頑丈な鉄棒をくくりつけて鎖で本を繋いでいた。この習慣が廃れたのは、印刷術が発明されてからかなり経った18世紀頃である。

ニーズにより文庫本サイズに造った文庫専用本棚、転がり車輪をつけたカーゴ型本棚、四方に本を収納できる回転式書架などの変り種もある。他に食器棚や多目的棚など、本来本を収納することを目的としていないが類似の機能を持つ収納庫もあり、しばしば本棚に転用される。

雑誌を保管する本棚には、正面に最新号を差し込めるポケット付きの戸がつき、その奥に過去の号を平置きするタイプのものもある。

市販の本棚では普通の本を収めるには奥行きがありすぎて二重置きになってしまい、奥の方に置いた本が隠れて死蔵状態になることがある。これを嫌って、自分で要求を満たす本棚を一から作り上げる自作派もいる。

構造

本棚の構造は、基本的には最上段の天板・最下段の底板とそれを両脇で固定する側板から成る。この四角の枠組み構造によって本を載せるための棚板を支えている。本を出し入れする側と反対の一面は、奥板でふさがれているのが一般的だが、奥板を付けずに向こう側が素通しの本棚もある。

棚板は側板に固定されているもののほか、本のサイズ(高さ)に応じてビスなどにより自由に高さを調節できるものがある。また、最下段はそのまま床に直に置くのでなく、大抵は埃よけのための高さ数cmの脚や台、いわゆる「袴(ハカマ)」の上に載せられている。これは部屋を掃除する時、掃除機が最下段に並んだ本を傷つけるのを防ぐ役割もある。棚板には、その底にブックスタンドを取り付ける溝を設けたものもある。

二本の支柱で棚を支えるタイプの本棚もある。主にスチール製で、支柱を等間隔に複数設置することで書棚を延長できる仕組みのものもある。また、壁に直接棚を作り付けたものもあるが、こうしたものは家具というよりむしろ「設備」であろう。

その他、保湿や埃よけのために外開きや引き違いの戸が設けられることもある。

材質

本棚の材質は、木製のものが主流であるが、一般に家具店で売られているような比較的安価な本棚は、大部分が合板・ベニヤ板製である。無垢板製のものは大抵数十万円以上の高級品として売られている。紫檀、黒檀等のような銘木を使用した本棚もステータスシンボルとして販売されている。図書館用の本棚や、オフィスでファイルなどを収納する事務用の本棚は、堅牢さと規格生産によるコストダウンが要求されるため、鋼鉄製のスチール書架が主流である(ただし1990年代頃以降に新しく建設された図書館では、利用者にとって居心地のよい空間を演出するため、柔らかい雰囲気を意図して木・合板を用いるケースが増加している)。

安物の本棚では、棚板が細い木組の枠に合板を張っただけの中空の板になっているものが多く、本をぎっしり並べると大きくたわむので注意を要する。

種類

移動書架

図書館の書庫のように、限られたスペースに大量の本を収める必要がある時は、レールの上にローラーをつけた本棚を載せて集密配架できるようにした移動書架(集密書庫とも)が置かれる。本棚をただ並べただけでは、各々の本棚の間に人間が通るためのスペースを設けなければならないが、本棚自体を移動できればそうした無駄なスペースを少なくできるので、大量に収納することができる。書架の移動は手動式(ハンドル式)や、大規模なものでは、スイッチ一つで複数の書架を一度に移動できる電動書架も採用されている。

全自動書架

大規模な図書館等で人員の省力化や防災管理のために運搬ロボットが専用の書庫から図書の入ったコンテナを窓口まで運ぶものがある。通常人間がその書庫に入室することは設備保守の時以外はない。 自動書庫とも呼ばれる。

スライド書架

個人の家で買うような本棚にも、二重あるいは三重にスライドする移動書架がついたものが存在する。これは図書館などで使うような業務用の移動書架とは異なり、奥より幅が狭い手前の本棚が横にスライドすることで省スペースを達成したものである。

回転式書架

図書館の閲覧室のように、複数の人数で座り、辞書などの参考図書類を共用する時は、机上に設置して四方に分置し、風車状に回転させることによって、どの方向からでも本を取ることができるようにした回転式書架が置かれる。新着本をそれぞれの分野の書架に配架する前に、一般利用者に顔見せするために置かれることもある。設置される本の冊数によって、二段式になったものもある。

事故

地震などの振動で、収められた本が飛散したり、本棚自体が転倒したりする畏れがある。本の脱落防止に紐テープなどを張ったり、本棚を金具で固定したりする対策法がある。

格子

格子(こうし、lattice)は周期的に並んだ区切り、仕切りのこと。格子戸、鉄格子などとして一般的にも使われる。

自然科学

物理学において格子は非常に重要な用語である。結晶を表現するものとして結晶格子がある。他にもイジング模型などでは、格子点上にスピンがある問題が取り扱われる。このようなモデル計算では、格子は非常に良く利用される。さらに素粒子物理学などを表現する場の量子論では格子ゲージ理論という大変重要な手法がある。

幾何学においては、平面上の点のうち、x座標、y座標がともに整数であるような点を格子点と呼ぶ。

格子の形状から名付けられたものに、正方格子、三角格子、立方格子、篭目格子、人名から名を取ったものに戸田格子や近藤格子などがある。

建築

格子は、角材を縦横の格子状に組み上げた建具。中間に補強用の水平材が入らずに、角材を縦方向に並べたものも格子と言うが、厳密には連子という。窓先に取りつけたり、引き戸や扉に戸板の替わりにこれを用いた格子戸などがある。装飾的な効果もあるため欄間や襖、障子等の内部建具にも付けられた。いずれの場合も建物の採光側に用い、内部での採光と通風を確保しつつ、外部からの進入と視界を制限できる効果がある。

大名屋敷や陣屋、城郭などではその効果を利用して物見用の出窓に格子を付ける(出格子)ことがあり、城郭の場合には敵の侵入などを防ぐためにほぼ全ての窓を太めの角材で造られた格子とすることが多かった。また、採光と視線の遮りの効果以外にも、牢や檻などの動物や人等を収める部屋の建具(鉄格子等)として、用いられることもある。